第48回特別展「瀬戸内海の自然を楽しむ」

大阪市の長居公園にある自然史博物館に第48回特別展「瀬戸内海の自然を楽しむ」を、告知のポスターに使われていたサワラのイラストが可愛いくて惹かれ、観覧しに行きました。

長居公園には植物園も併設しており、そこには弊社の製品が(ry というのは置いといて、特別展は二階で、特別展だけなら500円です。夏休みも後半ということで、特別に混雑は無く、ゆっくりと観覧することか出来ました。展示はノーフラッシュなら撮影も自由、SNSへの投稿も自由でしたので、遠慮なくアップします。

瀬戸内海とは

学問の基本として定義から。

瀬戸内海は本州・四国・九州にまわりを囲われた海域で、大阪湾から周防(すおう)灘まで東西約450km、南は和歌山県日ノ御崎-徳島県蒲生田崎、愛媛県佐田岬-大分県関崎を結ぶ線よりも北に広がる、面積約1万9700平方キロメートルの内海です(領海法による)。複雑な潮の流れと特徴的な地形、独特の生態系が作られています。
もっとも、私たちの多くがイメージする「瀬戸内海」は、領海法の範囲から紀伊水道を除いた、より内海的な海域でしょう。この特別展では特に断らない限りは、紀伊水道を除いた海域を「瀬戸内海」として扱います。

という瀬戸内海に関する自然、地質、動植物、文化に関する資料が集められた展示です。

瀬戸内海の地質と底質

代表する岩石といえば花崗岩だそうです。確かに石材としての産地は瀬戸内。大阪城の石も瀬戸内から切り出されて運ばれたとか。我が地域の代表的な地質と言えば砂岩(和泉青石)

高低差を極端に強調した地形模型。黒潮が通る海域は奈落の底ですね。それに比べて瀬戸内海は非常に浅い海域だといえます。島が少ない場所は「灘」、島が多い海域は「瀬戸」と呼ぶそうです。島が多い瀬戸は海流が増すので浸食が起こり、深い海底が作られることがあります。最も深い瀬戸は速吸瀬戸で水深460m。灘は平均20m。

アリジゴク

花崗岩から作られる白い砂浜。そこに住むアリジゴク(コカスリウスバカゲロウ)の20倍拡大模型。

海浜植物標本

海浜植物の標本。ケカモノハシの根でタワシを作っていた時代もあった。

海岸の松林には食用キノコが生える。キノコというと山という固定観念を持っていたので驚いた。

阪南市の箱作ピチピチビーチで見つかったアカウミガメの骨格標本

ヤマトウミヒルモの標本。これは日高町の海底でフィールド観察出来たもの。貴重な自生地だという説明に納得できた。


ヒメイカ・ダンゴイカの液浸標本。


イカナゴ、その他沢山の液浸標本。


ハセイルカ


ミンククジラ


ザトウクジラ。これらクジラ類は残念ながら湾内に迷い込んだ末に発見時は死亡。


スナメリだけは瀬戸内海に定着。つまり生きて暮らして繁殖しています。



「衆鱗図」江戸時代の高知の魚図鑑。写実的な描写に驚かされる

他にも沢山の展示があるので、標本をじっくり観察する良い機会だと思います。会期はまだあります。

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