沖縄県営鉄道那覇駅跡出土の転車台遺構

那覇バスターミナル

沖縄本島を公共交通機関で移動するとなると、ゆいレールを除けばバスとなるわけですが、その拠点が那覇バスターミナル。

沖縄県営鉄道那覇駅跡出土の転車台遺構

沖縄県営鉄道那覇駅跡出土の転車台遺構

那覇バスターミナルはゆいレールの旭橋駅の直近ですが、戦前には、ここに鉄軌道の那覇駅が設置されていました。その遺構が保存されています。

那覇駅復元模型

那覇駅復元模型

 沖縄県営鉄道那覇駅は、沖縄戦による破壊や戦後のバスターミナル建設等によって当時の施設は全て残っていないと思われてました。ところが、再開発工事中に、当時の駅構内にあった施設の遺構が発見されました。発掘調査の結果、遺構は沖縄では唯一那覇駅だけに設置されていたと言われる、機関車を方向転換させるための「転車台」と呼ばれる施設であることがわかりました。
「転車台」遺構はコンクリートの基礎とその上にレンガを積み上げたドーナツの形をした構造で、かなり破壊されていましたが、全体の形がほぼわかる状態で残っていました。大きさは直径約6.8m、高さは最も残りの良い部分で最大約1.1mあります。
基礎の部分の地中には、直径18cm前後の木杭が多数埋め込まれていました。これは、那覇駅一体が埋め立て地で地盤が軟弱なため、「転車台」全体の沈下を防ぐための工事であったと考えられます。発見された「転車台」遺構は、近代沖縄の交通の歴史、建築・土木技術など、様々なことを知ることができる大変貴重な文化財です。

旭橋駅は那覇港の近くになるため、空路がメインになる前は、那覇港が沖縄と外を結ぶ拠点だったということでしょう。モノレールが出来ましたが、鉄路で沖縄本島南部と北部が結ばれることはあるのでしょうか。

那覇駅跡

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